2009年8月10日月曜日

CALERA カレラ・カリフォルニア・シャルドネ 2007 14.4%
















■トピックス:ワインの栓について

酒豪先生:今夜はカリフォルニア・ワインのCALERA カレラ・シャルドネ 2007を飲んでみましょう。
洋画紳士:カリフォルニア・ワインの評価はもう定評の域に達したようですね。
南 海 子::ほんとうにおいしいと思うシャルドネはカリフォルニア産が多いし、それほど値段が高くないのがうれしい。
洋画紳士:そう、3000円前後でいいものが手に入りますから、コスト/パフォーマンスの点でも優れていますね。このワインも飲みやすくておいしい。やや酸味は強めだけど・・・
南 海 子:私もこの味は好きですよ。
酒豪先生:抜栓してしばらくして味に落ち着きがでてきた。初め飲んだ時にはやや暴れ気味だったけれども、だんだんよくなってきた。
南 海 子:「梅の甘味」も出てきたようです。

洋画紳士:いま気がついたのですが、このシャルドネはサンタクララやモンタレーのブドウ園からシャルドネ種のブドウを買い付けして、それらをブレンド(?)して作っているようです。裏のラベルにどこそこのブドウ園のものをどのような比率で使ったかを明記してあります。
カレラ CALERAには特定のブドウ畑から収穫したシャルドネだけを使った商品もありますが、値段が二倍か、それ以上します。ブレンドでもこの品質が保てるのであれば、私は迷わずこれを選びますね。
南 海 子:なるほど、比率を書いています。この味に不満はありませんが、いつかは特定の畑のブドウだけを使ったものも飲んでみたいですね。
酒豪先生:ところで、このカレラ CALERA は栓が独特です。なんと透明ガラス製で、瓶と接する部分には柔らかなシーリング材(パッキング?)が使われていて密封できるようになっています。 今日、栓を抜く時にシールを切り取ったらガラスの塊がポロッと取れたので、瞬間、何が起きたのか分からなかった。瓶が割れたのかと思ってびっくりしましたよ。
※CALERA社ではこのガラス栓を「ヴィノ・シール」と称しているようです。
洋画紳士:このパッキング材はスクリュー方式の蓋の内側に張られている素材に似ています。たぶん同じようなものでしょう。だからスクリューキャップもガラス栓も同じように密封できるわけです。
洋画紳士:昔読んだ本にワインは長期間寝かせておくと、コルクを通して外気との微妙な交流が起こり、熟成が進むというようなことが書いてあったと記憶していますが、もしそれが本当なら密封してしまうと完全に瓶の中での熟成ということになるのでしょうか。
酒豪先生:瓶内熟成の問題は難しいので、今日は栓の話にしましょう(栓も難問ですが)。最近はワインの栓材については新世界ワインや安いワインで新しい方式が採用されています。 もともとはコルクの劣化が原因でワインの味が悪くなる(「ブショネ」というようだ)のを防ぐために人工コルクが採用されたり、コルクの抜栓が面倒でワインが敬遠されていることの対策として簡単に開けられる方法が模索されたりしたのが、新方式が考えられた動機だろうと推察しますがね・・・
南 海 子:私は個人的にはコルクを抜いて飲む方が好きですけど。
酒豪先生:慣れと伝統の問題ですね。新方式が採用されつつあるといっても、主に新世界ワインでの話であって、フランスの名門シャトーは伝統がある分、新しいもの採用には慎重にならざるを得ない。
仮にコルクよりも優れた方法が開発されたとしても、やはり伝統墨守となるでしょう。それはコルク栓を抜くという行為が作法としての「ワイン文化」に組み込まれているために技術的要素だけを優先させるわけにはいかないのです。
南 海 子:ソムリエの手つきを見ていると優雅さを感じます。スクリューキャップではあまり粋ではないですね。
洋画紳士:片や合理的で機能的には優れていても優雅さは失われる。もう一方は伝統に裏打ちされた作法は感じさせても「ブショネ」のリスクは抱えたままです。
南 海 子:変わっていくのでしょうか・・・ガラス栓だとコルク栓の感覚は残したまま、ブショネのリスクは減るのですから、両者のいい点を持ち合わせているようにも思えるのですが。

■評価(5点満点)
南 海 子:4
酒豪先生:4
洋画紳士:4.5

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