■カルメネール、再び。
洋画紳士:前々回取上げたばかりなのに、またもやチリ・カルメネールの登場です。
南 海 子:カルメネールは洋画紳士のお気に入りのようですね。
酒豪先生:私もこのセパージュ(ブドウ種)のワインは好きですよ。安い割には重厚感がああるし、飲んだ後の満足度もありますから。
南 海 子:そうですね、値段との相対評価でもいいワインだと思いますが、絶対評価をしても高水準だと思います。
洋画紳士:お二人とも評価が高いですね。1200円台でこれほどおいしいワインというのは特筆ものです。さすがコノスルというところですね。
さて、ヒュー・ジョンソンは『世界のワイン』に、カルメネールは痩せた土地に合うと書いています。これは面白いですね。肥沃な土地で作物がよく育つというのなら理に適っていると思うのですが、痩せた土地とはね・・・
酒豪先生:チリに限らずどこのワイン産地でも、土地が豊か過ぎたり肥料をやりすぎたりするのはマイナスらしいですね。それどころか水が多すぎてもうまくいかないと言われています。
南 海 子:それはどうしてですか。土地が豊かで水をたっぷりやった方がよく育つと思いますが。
洋画紳士:どうやらブドウを「甘やかさない」ためらしい。土地が痩せていて、水分も少なめだと、植物の習性として地中深く根を張ろうとするでしょう。そうなると地層の深い所からミネラルなどの栄養分を吸い上げるようになり、その土地特有の風味が生まれるのではないかと云われています。
酒豪先生:日本でも「永田農法」というのがありますね。トマトなどの栽培で水も肥料も必要最小限しか与えずにその植物が持っている潜在力を最大限に引き出そうというものです。とても甘いトマトができるそうですよ。
南 海 子:いいブドウ園では栽培家たちが丹精してブドウを育てていると聞きますが、それは「甘やかさない」ことと矛盾はしないのですか。
洋画紳士:その土地とブドウの特性を生かし長所を伸ばすのが丹精でしょう。ブドウの房の数量管理や害虫・病気の予防などはきちんとしないといけない。しかし甘やかしてはいい樹になりません。
南 海 子:まるで子供の躾や教育みたい。
酒豪先生:今日のカルメネールは躾がよかったということですね。
■評価
南 海 子:4
酒豪先生:4
洋画紳士:4
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