2011年1月2日日曜日

ピション・ラランド Ch. Pichon Longueville Comtesse de Lalande 2003 13%


























■忘年会にポイヤックの二級ワインを飲む
洋画紳士:今日は年末ということで、年忘れにちょっといいワインを用意しました。
南 海 子:あ、ボルドーだ。洋画紳士好みの新世界ワインではないのですね。
酒豪先生:えっ、こんなにいいワインでしたか。ごちそうさまです。これはポイヤックでもいいワインの一つですよ。
洋画紳士:いつも新世界ワインを飲んでいるので、時には本家のボルドーを飲んでみようかなと思うことがあります。それで今夜は忘年会用に奮発したというわけです。
南 海 子:2003年ものですが、色は薄くなり透明になりつつありますね。グラスに注いだ時の泡もきれい。ポイヤックはボルドーのどの辺でしたか?
酒豪先生:ジロンド河の西岸・メドックの中ほどがポイヤック Pauillac で、ピション・ラランド・ロングヴィルの畑はポイヤックの南にあり、一級ワインのシャトー・ラトゥールの畑に隣接しています。
南 海 子:つまり絶好のテロワールということ?
酒豪先生:そうです。ピション・ラランドはスーパー2級と呼ばれてきましたし、実力は相当なものですよ。このクラスになると一級、二級の格付けはあまり問題ではないでしょう。
南 海 子:香りだけでも分りますが、口に含むとバターとカカオの風味を感じます。それにナッツの香りも混じっていますね。
酒豪先生:飲んだ時の印象ではラフィットに近い味です。そしてボルドーの高級ワインに共通する香りの良さを持っています。味はバターのような柔らかさとビロードの滑らかさを併せ持っているというところですね。香りは表現する言葉が見つからないけれど、僕の一番好きな香りの一つです。口の中から鼻に抜ける時、幸せな気分になります。
南 海 子:香りは植物エキスの究極のもの。ある種のハーブ香と共通していると思いました。
洋画紳士:お二人とも絶賛ですが、私には分りにくい味です。別にまずいというのではないし、安いワインとは違うということは分るのですが、格別うまいとも思いませんでした。つまり良さが分らないのです。
南 海 子:洋画紳士は新世界ワインの強烈さが好みなんですよ。だからカリフォルニア、チリ、アルゼンチンなどのおいしいワインを発掘することができたのでしょう。
酒豪先生:実際、あまり高くなくておいしいワインをいくつも見つけてきたのですから、新世界ワインに対する感性はいいんですよ。
洋画紳士:正直言って初めてボルドーの一級ワインを試飲会で飲んだ時の経験に似ています。あの時はムートン・ロートシルトでしたが、うまいともまずいとも判断できませんでした。これがボルドーの一級かと思っただけで・・・つまり二年以上経っても私の味覚はあまり進歩しなかったということかな・・・
酒豪先生:そうでもないでしょう。むしろ進境著しいくらいじゃないですか。高級ワインはそうしょっちゅう飲むものではないから味に慣れていないだけだと思います。
南 海 子:一つは慣れの問題、もう一つは嗜好のタイプが新世界ワインに向いているということでしょう。
洋画紳士:そういうことでしょうね。まあいずれにしてもワインについては「道遠し」というところですか。
■評価
南 海 子:4.5
酒豪先生:4.5
洋画紳士:判断できず、パス

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