2011年1月20日木曜日

PROMIS プロミス CA' MARCANDA (GAJA) トスカナ・イタリア 2007 14%







■ガイヤが作った「スーパー・タスカン」の実力はどうか
洋画紳士:これまでに何度かフィリップ・ロートシルト男爵の名前が出てきましたが、イタリア・ワイン界で帝王と呼ばれているのはアンジェロ・ガイア Angelo Gaja です
南 海 子:西洋人は帝王が好きなのね
酒豪先生:ガイアは元々北イタリア・ピエモンテでバルバレスコ、バローロの作り手として有名な人でした。そのガイアがトスカナのボルゲリ村(Bolgheri) に土地を買ってワインを作り始めたのです
南 海 子:"PROMIS" が「約束」だというのは分りますが、ラベルの一番上に書かれている "CA' MARCANDA" というのは何でしょう
酒豪先生:それは彼の会社の名前です。地図で見ればシエナの西の方にあるはずですが、ボルゲリというのは小さな村らしくて、普通の地図には載っていませんでした。でもそこは有名な「サッシカイア」と同じ地域なんですよ
洋画紳士:今日の「プロミス」はカ・マルカンダ社のワインで、輸入元のホームページによると、メルロ55%、シラー35%、サンジョベーゼ10%のブレンドになっています
酒豪先生:イタリア固有種のサンジョベーゼがたったの10%しか使われていないんだ。国際品種を使ったワインだということは知っていましたが、こういう比率は意外でしたね
洋画紳士:"PROMIS" の綴りを "PROMISE" と英語にしなかったのは、イタリア色を出したかったのではないですか
南 海 子:"E" 一文字がサンジョベーゼ10%分の意地を表しているのかしら? ところで、トスカナ・ワインの中でも有名な「サッシカイア」は「スーパー・タスカン」と呼ばれていますね
酒豪先生:トスカナ地方は元々ワインの産地だったのですが、国際的な評価がそれほど高かったわけではなかったのです。「サッシカイア」は1960年代後半から販売を始め、数年後には世界でも超有名になりました。それもそのはず、DOC規格に入らないワインが世界中で高く評価されたのですから一体何のための規格かということになったのです。DOC規格外のワインでIGT(地酒)、VdT(テーブルワイン)扱いだったのですから下克上もいいところですよ。英国のワイン・ジャーナリストがその現象を評して"Super Tuscan" 「トスカナ産の超上質ワイン」と書いたので、以来、トスカナ地方の優秀なワインがそう呼ばれるようになったようです。(※"Tuscan" は英語で「トスカナ人」「トスカナ語」の意)
南 海 子:さて、この「プロミス」、味はどうでしょうね
酒豪先生:深みのある味わいですね。ボディが強い、つまりコクがあるということですね。喉の奥から鼻に抜ける時の香りがいいじゃないですか
南 海 子:高級ワインを飲んだ時に感じることですが、共通している要素としてある種のカビ臭さがあります。別に悪いということではありませんよ、印象ですから
洋画紳士:コルクも上質なものを使っていますね、ちょうど5cm。「オーパス・ワン」やボルドーのいいワインも5cmあります
酒豪先生:抜栓して15分くらいですが、初めに飲んだ時より酸味が弱くなり、逆に甘みを感じるようになりましたね
南 海 子:口当たりも滑らかになったようで、こういう変化も面白いですね
洋画紳士:これは4000円台のワインですが、価格比ではどうでしょうか
酒豪先生:難しい価格設定ですね。考えようによるでしょうが、GAJAを買うとなると何万円もかかるのですから、そう高いとも言えないと思います
南 海 子:5000円未満なら新世界ワインの中にたくさんの候補がありますから悩みますね・・・でも味には満足しています、ごちそうさまでした

■評価
南 海 子:4.5
酒豪先生:4.5
洋画紳士:4

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